会社を辞めることは、誰にも相談せずに決めた。もちろん夫にも。
誰にも相談せずに決めたと言ったら、少しかっこよく聞こえるかもしれないし、実際、かっこつけているというか、強がっている感はあるかもし知れない。
単に、相談する人がいない。相談できるくらい人間関係をちゃんと築けている人もいないし、信頼している人もいない。というのも正しい。
もし、誰かに相談していたら・・・相談できたなら・・・
考えなくはなかったが、自分の意思を曲げることになってしまうのも嫌だったし、こういうことは自分で決めないと誰かのせいにしたりしてしまうと何かで知ったからというのもある。
そして、相談せずに決めたのだが、周りに私が辞めることを知っている人も増えて、何となく居づらさを感じるこのごろ。
少し、心が弱くなってきているのか、本社のMさんに相談する妄想をいつのまにかしていた。
Mさんは、とてもやさしくて、親切。そして、伝えないといけないことは、言いにくいことでもきっちり伝えることができる、強い人でもある。
入社した時から、とてもやさしくしてくれた。わからないことがあって電話した時も、「なんでも聞いてくださいね。」といつもこころよく相談に乗ってくれる。初めて本社に行ったとき、声をかけてくれて、やさしいだけでなく、とてもきれいな人だということもわかった。本社と書類のやり取りをする際には、いつも付箋にコメントを書いてくれた。字まできれいで、本当にあこがれの人。
その人に相談するという妄想。
いつのまにか泣いていた。
自分がいじめられていたこと。うまく人と話せないこと。受け入れられないことが怖くて、本当の自分を出せないこと。Mさんともうまく話せなくて、受け入れられないという怖さと、人とうまくやれないという劣等感を隠すためのプライドから、自ら距離を置くようにしていたこと。
本当は、仕事だけをただまじめにやっていたい訳ではない。人と交わりたいという気持ちもあるのだ。ただ、その能力がないだけ。一人のほうが好きだけど、会話が上手にできるなら、私だって会話を楽しみたいのだ。
楽しく過ごすには、とてもいい会社だったのかもしれない。
いつも終わってから気づくよね。
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